食品安全情報blog
■[論文]乳牛に名前をつけると乳量が増える
Names give cows a lotta bottle
28-Jan-2009
Anthrozoosに発表されたNewcastle大学のCatherine Douglas とPeter Rowlinsonの研究によれば、乳牛に名前をつけて個々のウシとして取り扱うと年に500パイント(258L)も乳量が増える。
■[論文]FEMAのGRAS計画について
Hallagan & Hall,
Food and Chemical Toxicology. 2009, 47 (2):267-278
.doi:10.1016/j.fct.2008.11.011
FEMAのGRAS香料リスト24
published on 29 December 2008 in Perfumer & Flavorist
■[DOHMH]ニューヨーク市はレストランや加工食品の塩分削減のための全国行動を開始
NYC Starts a Nationwide Initiative to Cut the Salt in Restaurants and Processed Food
心臓発作や脳梗塞を予防するために食品中塩分削減対策を始める。我々の食事由来塩分の80%は加工食品や外食に含まれている。
関連資料へリンク
目標はレストランや加工食品の塩分は10年で半減、人々の塩分摂取量は40%削減 で中間目標としては5年で20%削減
■[BfR][汚染物質]ミネラルウォーター中のウランについてのQ & A
28 Jan 2009
最近メディアで取り上げられて、ミネラルウォーターのウランについての問い合わせが多くなったため、ここにFAQを示す。
・ 何故ミネラルウォーターにウランが入っているのか?
ウランは岩石や土壌や空気や水に様々な量含まれる。ウランは天然に良くある物質なので食品にもごく微量含まれる。水のウラン含量は場所により異なる。
・健康リスクはあるか?
ウランは放射性重金属であるが食品にはごく微量しか含まれない。ウランの放射能によるリスクはほとんど無く無視できるが、長期にわたり高濃度で摂ると化学物質としての腎毒性の可能性がある。
・飲料水やミネラルウォーターのウランに規制値はあるか?
ヨーロッパ及びドイツに飲料水中ウランの法的基準値はない。ただし例外は乳児用食品調整用ミネラルウォーターで、2 microg/L以上含まれてはいけない。
BfRは2006年に乳児用ミネラルウォーターのウランについて評価しこの最大規制値を設定することを薦めた。WHOは飲料水中ウラン基準値として15 microg/Lを定めている。ドイツではUBAが10 microg/Lを推奨している。
・何故BfRは2005年から乳児用ミネラルウォーターのウラン最大値を改定したのか?
乳児用食品調理用の水には特別な安全基準がある。BfRは2006年1月16日から2 microg/Lを最大基準値として推奨し、2005年の推奨値を改定した。2005年時点では放射能による発がん性を考慮して予防的に0.2 microg/L(検出限界)を推奨していた。その後ミネラルウェーターのウランの放射能による健康リスクは 考えられないことが明確になり、化学物質としての健康リスクを根拠に規制値を改定した。
・ BfRはどのようにして乳児用食品を作るための水のウラン規制値を導出したのか?
WHOが導出したウランのTDIを根拠にした。ウランは約0.6 microg/kg体重/日がTDIである。3ヶ月の乳児は体重が約6.5kgで、飲む量は1日670gとするとWHOの10 microg/LでTDIは超過しない。「乳児用」と特に表示して販売されるミネラルウォーターについては通常より厳しい基準がふさわしいと考えて2 microg/kgに設定した。硝酸やフッ素や硫酸などについても同様に乳児用については基準を厳しくしている。
ピル後の朝は何ですか
・ 何故乳児用食品を作るためのミネラルウォーターより飲料水のウラン規制値が高いのか?
飲料水は一般向けで特別なものではないので。
・ 飲料水は乳児用食品調理に使えるのか?
連邦環境保護局(UBA)とBfRの評価では10 microg/L以下のウランを含む飲料水に健康リスクはなく、そのような水でベビーフードを作っても問題はない。例外はドイツの一部地域でUBA基準値10 microg/L又はWHO基準値15 microg/Lを上回ることがあり、その様な場合は予防的措置として乳児用ミネラルウォーターを使うことを勧める。
・消費者は飲料水のウラン濃度についてどうやって知ることができるのか?
飲料水については地元の水担当部局、ミネラルウォーターについては製造業者に問い合わせる。
・BfRは消費者保護のためにどのような対応をしているか?
参照
2005年
2006年BfRによる改定
■[FTC][CAM]FTCは詐欺的宣伝をしていたKinoki足パッドの販売業者を告訴:消費者への損害補償のための資金を要請
FTC Charges Marketers of Kinoki Foot Pads With Deceptive Advertising; Seeks Funds for Consumer Redress
January 28, 2009
FTCは身体から毒素を排出する、高血圧や欝などの病気を治療する、体重を減らすなどという嘘の宣伝でKinoki Foot Padsを販売していた業者を告発した。宣伝内容は全て虚偽又は根拠がない。
(デトックスを謳った樹液シート、とうとう公式に詐欺認定。日本でも公正取引委員会がデトックス関連に警告するといいのに。)
■[NHS]日焼け注射のQ & A
Behind the headlines
Tanning jab Q&A
Wednesday January 28 2009
日焼け増強注射、メラノタンが再びニュースに取り上げられた。この不法薬物は2008年11月にMHRAが警告を発してメディアの注目を集めた。MHRAはメラノタンは試験が行われておらず、副作用がどのようなものかわかっていないと言っている。
BMJに掲載されたレターでは、インターネットで購入したメラノタン注射をしてほくろがほんの数週間で急に大きく黒くなったという2人女性の症例を紹介している。
メラノタンを使用している人は直ちに使用を中止するように。
メラノタンとは何でどう作用するのか?
メラノタンは合成ホルモンで皮膚を黒くするために注射される。この薬物で皮膚のメラニン含量が増える。
誰がこれを違法だと判断したのか?
英国で販売される全ての医薬品はMHRAによる認可が必要である。メラノタンは承認のための審査が行われていない。
何故違法なのか?
安全性と有効性が不明で副作用もわからない。さらにメラノタンそのものによる副作用の他に滅菌していない水を注射したり針を使い回したりすることによる感染症リスクもある。
メラノタンを使っていました、どうすれば良い?
直ちに使用をやめて医師に相談すること。
これを使ってはダメならどうすれば安全に日焼けできる?
意図的日焼けは避けるべきである。日焼けしたように見せるローションやスプレーなどのほうが安全であろうが、妊婦は避けるべきである。
(何故そこまでして日焼けしたいのかな。美容業界は謎だらけ)
オールトラリアではこんなのが報道されていた
ボトックスで出生時欠損
Warnings Botox can cause birth defects
January 27, 2009
猫はどのように多くのカロリーを必要としません
オーストラリアで2005年に妊娠中(一ヶ月)にシワ取り目的でDysportというボツリヌスA型毒素を使った女性の子どもが耳が聞こえず目が見えない障害を持って生まれた事例がある
■[ASA]ASA裁定
ASA Adjudications
Premier Foods Group Ltd
28 January 2009
Hovis全粒粉パンの雑誌の宣伝で、「パン2枚でボウル1杯のシリアルより33%多い全粒粉が摂れる」と記載されている件について。比較されたBitesize Shredded Wheatは30gで、この製品は一回分が45gでありこの比較は誤解を招くものであるとの申し立てがあった。
ASAはこの申し立てを認め、この広告は誤解を招くものであり禁止する。
■[FSA][汚染物質]2006トータルダイエットスタディからの金属やその他元素の量
Levels of metals and other elements from the 2006 Total Diet Study
Wednesday 28 January 2009
私たちの食品中の金属やその他元素の調査の結果、ほとんどはこれまで同様又は低下していた。
FSAはトータルダイエットスタディーで24の金属などの測定を行った。平均的英国人の食事を代表する食品を24の地域から集め、アルミ、アンチモン、ヒ素、バリウム、ビスマス、カドミウム、クロム、銅、ゲルマニウム、インジウム、鉛、マンガン、水銀、モリブデン、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、セレン、ストロンチウム、タリウム、スズ、亜鉛について分析した。
この調査結果をCOTが評価し、消費者の健康にとって特に問題となることはないが、アルミとバリウムについてはさらなる情報が必要だと指摘した。
アルミ
食事からのアルミ暴露量はこれまでの推定より高くなったわけではないがアルミのガイドライン値が最近引き下げられたため、ガイドライン値を超える集団が一部あった。
バリウム
最も高濃度だったのはナッツでナッツを大量に食べるヒトで安全ガイドライン値を超過する可能性がある。しかし安全ガイドライン値は有害レベルについての情報がないため極めて予防的なものなので、必ずしも心配する必要はない。
調査結果の詳細は以下
Survey on measurement of the concentrations of metals and other elements from the 2006 UK total diet study
■[EFSA][汚染物質]動物飼料中の望ましくない物質としてのゴシポール フードチェーン中の汚染物質に関する科学委員会の意見
Gossypol as undesirable substance in animal feed - Scientific opinion of the Panel on Contaminants in the Food Chain
28 January 2009
ゴシポールは(+)と(-)の二つの鏡像異性体として存在し、実験にはしばしばラセミ体の(±)-ゴシポールが用いられる。ゴシポールは綿実及び綿実製品に遊離及び結合型として存在する。結合型ゴシポールは蛋白質に共有結合した形で存在し、酸性条件での加熱により一部が遊離する。綿実は綿から繊維を作るときの副産物で、蛋白質や油脂に富むため綿実油の製造や飼料として使われる。貯蔵や加熱、油脂の圧搾により遊離のゴシポール濃度は減り、市販の綿実ミールのゴシポール濃度は通常遊離のゴシポールとしてわずか0.1-0.2%と低く抑えられている。
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ゴシポールは多くの動物種に対して弱い急性毒性を持ち、ラットの経口によるLD50は2400-3340 mg/kg、マウスで500-950 mg/kg、ウサギで350-600 mg/kg、ブタで550 mg/kg、モルモットで280-300 mg/kgである。急性中毒の症状は全ての動物種で同じで呼吸困難や食欲不振などである。一般的に(-)-ゴシポールの方が(+)-ゴシポールより生物学的活性が高いが、(+)-ゴシポールの方が排泄が遅い。より低い濃度での反復投与による毒性の主要標的臓器はラットとヒトでは精巣で、精子の運動性を抑制し精子形成を阻害し精子数を減らす。ヒトにおける精子形成抑制は一部は不可逆的で、特に精索静脈瘤がある男性ではそうである。さらにゴシポールは女性の生殖器や胚の発生にも影響する。ゴシポールは遺伝毒性はなくラットの1年間試験ではがんを誘発しなかった。ADIやTDIは設定されていない。ヒトとサルでの経口による精子形成阻害を示す最小容量はそれぞれ0.1 および 0.35 mg/kg b.w.である。ゴシポールの毒性は反芻動物では低く、精子形成や胚発生の阻害や赤血球の脆弱性増加などはウシでは6-18 mg/kg b.w./ 日、ヒツジの心筋症は2-3 mg/kg b.w./ 日で見られる。胃が一つの動物は反芻動物よりゴシポール毒性への感受性が高いようだ。
現在綿実ミールと最終飼料の両方に遊離のゴシポール規制値がある。通常の飼育では、綿実ミールに許容値の最大限が含まれ家畜飼料への混入が最大限だと仮定しても、最終飼料のゴシポール濃度は許容値の半分以下であろう。現行の規制下では最終飼料に含まれる最大許容濃度で遊離ゴシポールの摂取量は家畜への有害影響がある量になりうる。綿実ミールの規制値と最終飼料への混入量に基づく遊離のゴシポールの暴露量では反芻動物や家禽や魚では有害影響はないだろう。しかし胃が一つの動物全てについて低用量での生殖影響が調べられているわけではない。
EUで使われている飼料のゴシポール濃度についてのデータはないが、家畜飼料業者から提供された情報によればEUに輸入される綿実ミールの量は近年相当減っており、飼料として使われている量は今は少ない。魚や産卵鶏用には使われていない。ゴシポールは可食部に移行し、多分牛乳にも移行する。移行量についての定量的情報はほとんど無い。ゴシポールを含む飼料を与えた家畜由来食品に残っているゴシポールの生物学的利用度に関するデータはない。ゴシポールを含む飼料を与えた家畜由来食品からのゴシポールへのヒト暴露は多分少量で、有害影響はないだろう。
■[EFSA]香料グループ評価29 (FGE29) -優先順位リストの物質:化学グループ31のビニルベンゼン AFCパネルの意見
Flavouring Group Evaluation 29 (FGE29)[1] - Substance from the priority list: Vinylbenzene from chemical group 31 - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Materials in Contact with Food (AFC)
28 January 2009
ビニルベンゼンは現在EC既存物質のリスク評価計画の下で評価されている。
SCHERがリスク評価報告書案を評価中である。従って最終報告書が発表されるまで香料としてのビニルベンゼンの評価は延期する。
■[EFSA]香料グループ評価77(FGE77)-EFSAがFGE.24Rev1で評価したピリジン・ピロール・インドール及びキノリンに構造的に関連するJECFA(第63回会合)が評価したピリジン・ピロール・キノリン誘導体 AFCパネルの意見
Flavouring Group Evaluation 77 (FGE77) [1] - Consideration of Pyridine, Pyrrole and Quinoline Derivatives evaluated by JECFA (63rd meeting) structurally related to Pyridine, Pyrrole, Indole and Quinoline Derivatives evaluated by EFSA in FGE.24Rev1 (2008) - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Materials in Contact with Food (AFC)
28 January 2009
22物質について評価した。10物質については生産量などのデータ不足で保留、6-メチルキノリンについては適切な遺伝毒性データが必要、残り11物質についてはJECFAの結論である「香料としての推定摂取量で安全上の懸念はない」に同意する。
■[EFSA]香料グループ評価82 (FGE.82)- JECFA(65回会合)で評価されたエポキシドの検討 AFCパネルの意見
Flavouring Group Evaluation 82 (FGE.82)[1] - Consideration of Epoxides evaluated by JECFA (65th meeting) - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Materials in Contact with Food (AFC)
28 January 2009
5つのエポキシドについて評価した。いずれもデータ不足。
■[EFSA]交配用ウサギの用飼料添加物としてのToyocerin (Bacillus cereus var. toyoi) の安全性と有効性 FEEDAPパネルの意見
Safety and efficacy of the product Toyocerin (Bacillus cereus var. toyoi) as feed additive for rabbit breeding does - Scientific Opinion of the Panel on Additives and Products or Substances used in Animal Feed
28 January 2009
この製品は既に多くの動物種での使用が認可されている。申請者は交配用ウサギ飼料への継続使用承認を求めている。ウサギ肥育用としての研究が十分行われておりToyocerin は安全だと結論した。しかし授乳中に使用することで新生ウサギへの暴露の可能性があり離乳前の耐性については根拠が限られる。結局これまで多くの動物種や目的で使用されていることを考えると、乳獣への有害影響はなさそうだと結論した。
■[EFSA]ニワトリ肥育用、子ブタやブタ用プロバイオティクスLACTINA (Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus helveticus, Lactobacillus bulgaricus, Lactobacillus lactis, Streptococcus thermophilus, Enterococcus faecium)の安全性と有効性 FEEDAPパネルの意見
Safety and efficacy of Probiotic LACTINA (Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus helveticus, Lactobacillus bulgaricus, Lactobacillus lactis, Streptococcus thermophilus, Enterococcus faecium) for chickens for fattening, piglets and pigs - Scientific Opinion of the Panel on Additives and Products or Substances used in Animal Feed
28 January 2009
試験データに重大な欠陥があり評価できない。
■[EFSA][農薬]EFSAの理由付き意見書:アプリコットのテトラコナゾールの既存MRL改定
Reasoned opinion of EFSA: Modification of the existing MRL for tetraconazole in apricots
28 January 2009
現在のEC MRLではアプリコットのテトラコナゾールは定量限界(0.02 mg/kg)に設定されている。申請者は桃からの外挿で0.1 mg/kgを提案している。
許容できるとしている。
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